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富山妙子トーク 私の画家人生 報告

『海からの黙示』 富山妙子トーク わたしの画家人生 ~戦争・植民地・震災・原発~
スライドショー上映
5/10 (土)2014 14:00-16:00 名古屋YWCA ビッグスペース
富山妙子トーク 私の画家人生 報告_a0208709_23505357.jpg

本講演会は、スライド上映会の技術の高さ、富山さんの縦横無尽なおはなしとレベッカ・ジェニスンさんの計算された誘導、これらがうまくからみあって、最後の富山さんの言葉 「老いのルネサンス やりましょう」を引き出せたのではと考えます。
富山妙子トーク 私の画家人生 報告_a0208709_2349162.jpg

この講演会に参加して、レベッカさんのことももっと知りたくなりました。富山さんのことを深く理解され、おはなしを上手くサーポートしてくださいました。レベッカさんがいらしたおかげで、話に筋道ができたと思います。
富山妙子トーク 私の画家人生 報告_a0208709_23525162.jpg

講演会の中で、富山さんが、「もうアジアを抱くことはできなくなった」といわれました。それで、富山さんのご著書『アジアを抱く 画家人生 夢と記憶』(岩波書店)を読んでから、ブログを書きたいと思いましたが、かないませんので、未読のままで記すことをご容赦ください。

個人的には、富山さんが、朝鮮半島のこと、特に戦争責任に関して、もっとお話ししてくださるのではと期待していました。特に、太平洋戦争の末期、福岡の刑務所で獄死した韓国の抵抗詩人尹 東柱(ユン・ドンジュ)のことを描かれたきっかけが知りたかったのですが。金 芝河(キム・ジハ)のことも富山さんは描かれました(金 芝河の詩に寄せてシリーズ)。朴軍事独裁政権を批判して獄中にあった詩人が、長い年月の後、その娘が大統領になったときに無罪になるというのは歴史の皮肉でしょうか。
富山妙子トーク 私の画家人生 報告_a0208709_2352687.jpg

アジアに対する富山さんの姿勢と取組みは、50歳を過ぎてから韓国語を学び、「ひとりでできる罪ほろぼし」をしようと志した詩人の茨木のり子さん(1926-2006)と通じるものがあると感じました。

富山さんは、 韓国の朴大統領の独裁政権後も続く軍部による支配に対する民衆の蜂起(光州事件・民主化運動)のことも取り上げられました(光州シリーズ)。そして、これが、1980年代のパリで映画になって上映され、「パリ・コミューン」(フランス革命時)と同じだと評価されたのだと言われました。世界に共通のものが、私たちの歴史なのだと強調されました。その際、もうアジアを抱く気がしないのだと呟かれたのです。

人生をかけてアジアのことを抱かれ、描かれてきた画家人生、もうアジアを描くことはないのでしょうか。

さて、ここでレベッカさんの登場です。シアトルのInternational Examiner で富山さんに関する記事が掲載されています。『海からの黙示 3. 11によせて』 で、富山さんの作品が紹介されています。その中にレベッカさんの紹介文もありました。

http://www.iexaminer.org/2014/03/revelations-from-the-sea-a-painters-response-to-311/

Rebecca Jennison teaches in the Humanities Department at Kyoto Seika University. With Laura Hein, she co-edited “Imagination without Borders: Feminist Artist Tomiyama Taeko and Social Responsibility” (Center for Japan Studies, University of Michigan, 2010). Her publications include “Reconciliation and Remembrance in the Art of Tomiyama Taeko,” in InterAsia Cultural Studies, Routledge (forthcoming).

レベッカさんが富山さんのことをずっと見守り、理解し、その仕事を支えてこられたのです。そして、富山さんの仕事を英訳されて、世界に紹介されてきたことを称えたいと思います。

富山さんの思想が世界のそれとつながっていることは、ゲーテの作品やロマン・ロラン全集のお話しがでてきたことからもわかります。

ゲーテの臨終の言葉 「もっと光を」 (Mehr Licht)
ここから、東電の話になり、光がありすぎて、光を失った時代、本当の意味での光を探すことがむずかしい世界、と語られました。
ロマン・ロラン全集 「魔法使いの弟子」

「非資本主義を生きるのは簡単じゃない」という言葉も印象的でした。
富山妙子トーク 私の画家人生 報告_a0208709_235418100.jpg

富山さんの絵とコラボされた高橋悠治さんの弾いていらしたピアノはSteinway だとか。DVDの最後は、「死してなれ」(Stirb und Werde)(ゲーテの言葉) 最後のタイトルは蝶(ただし、欧米では蝶と蛾を区別しないため蛾の可能性もある)。

DVDを聴かれた方によると、はじまりは真っ暗な中に仏具の乾いた音、続いて聞きなれた仏具の音が入り、次に高橋さんのピアノが終始一貫して流れる。最初の音がこれから始まる画面への暗示のようで、最後の蝶がこれからの再生への祈りのように感じられる、ということでした。

DVDを見直したい、聴き直したいです。
私は音楽がしゃべりすぎない、むしろおさえている印象を受けました。

「アートは時代をつかまなくてはいけない」ともいわれていました。時代の風をつかむとはどういうことでしょうか。時代に迎合することではありません。時代を読み取る。それを解いていく。アートの力は大きい。国境を越えていく。
富山さんが強調されました。

安部政権になってから、次はないと思っていたが、描かざるをえなくなった。
次の次はない。次は確実にあるということでしょうか?

終末にたった。
「次に新しいものの生まれてくるような腐葉土になれたらいい」といわれました。

富山さんにとって老いは、ものわかりよく、人格円満になって温和になっていくものではなく、反対になっていくものなのです。「地球の問題が描けるときがきた」とおっしゃいました。新しい再生の場をつくっていくのだそうです。

怒らなきゃいけない。風をおこしましょう、新しい風。

「老いのルネサンス」やりましょう、としめくくられました。

富山さんの気迫が伝わってくるいい講演会でした。参加された方々も各々になにかをつかんで帰られたのではと思います。

本講演会のスタッフのひとりに加えて頂いたことを感謝いたします。

文責  秦野 康子

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ご自宅で(写真:三宅ゆかり)

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by nagoyaywca | 2014-05-16 23:57 | 平和・国際部会